フメリニツキー州-ウクライナレポート


50キロほどのフメリニツキー州を紹介します。

フメリニツキー州は17世紀コザックの指導者でありウクライナの英雄であるボフダン・フメリニツキーにちなんでつけられたそうです。

1.Svarog社訪問

フメリニツキー州に来た主目的は大規模農業を営むSvarog社の視察です。訪問すると会議室に通され現在の事業、技術や課題について説明を受けました。
また、コンピュータールームや研究室、ハウス栽培も視察しました。

a) Svarog社の事業概要

Svarog社は現在、土地8万ヘクタール、従業員4500人で耕種農業、畜産、園芸などアグリビジネスを展開しています。8万ヘクタールといってもイメージしにくいかもしれませんが、名古屋市の約2.5倍というとわかりやすいでしょうか。
主な作物は大豆、小麦、砂糖をつくるテンサイなど。特に大豆は非遺伝子組み換え大豆の生産に注力しています。
また、小麦アレルギーなど健康への関心から注目されているスペルト小麦も手掛けています。

b) バイオマスパワープラント

大規模農業を展開するSvarog社では毎年大量のバイオ燃料が発生します。その中で今回は、麦わらを活用したバイオマス発電のジョイントベンチャープロジェクトについて紹介してもらいました。

c) リサーチラボ

農業生産品の生産性向上、利益率アップや安全管理のため、研究室においてさまざまな研究をしています。
安全管理ではGMO(遺伝子組み換え)、重金属、農薬残留物、放射能汚染や生物学的汚染の有無などを評価しているとのこと。
また、有機栽培にもかなり力を入れているようです。

d) はちみつ

はちみつ生産と輸出はSvarog社が今後注力していきたい課題として紹介していただきました。ウクライナは世界3位のはちみつ生産国であり、年間3万6千トンを輸出しています。しかしその大部分は一般家庭による生産でプロによる品質管理が行われておらず、価格は低くて日本への輸出量も少ないのが現状です。(日本は中国からの輸入が多い)
今後、品質管理の徹底とともに、日本などへの輸出への拡大、アカシアやヒマワリはちみつなど高付加価値化をしていきたいと考えているようです。

e) コンピュータールームと精密農業

本社のコンピュータールームでは、農場の情報管理が行われていました。すべてのトラクターにはGPSが取り付けられていて、どこでどう動いているかが把握できるそうです。そして、どのようにトラクターを動かせば一番燃料を使わず効率的に耕うんや収穫ができるかを計算し、運転指示を出しているとのこと。
他にも農場の各所に設置されたカメラや温湿度計などの測定器情報がコンピューターに集まり、作物の品質管理や収穫向上のための改善活動が行われています。

f) ハウス栽培

ハウス栽培の農場を見せていただきました。日本のハウス栽培を視察し、それを参考にして作ったそうですが、日本の1/5のコストで作ることができたとのことです。キュウリやサラダ菜がつくられていました。

2.フメリニツキー国立大学 鉱物複合研究所

フメリニツキー国立大学鉱物複合研究所の所長であるスヴィトラーナ・カルヴァン教授に会うことができました。
教授からは、フメリニツキーでおよそ1億トンが埋蔵されているといわれるサポナイトに関する資料をいただきました。
サポナイトは飲料水や工業廃水の浄化処理のため、また重金属や放射性物質から食品や土壌を除染するための吸着剤として有効だとのことでした。
鉱物研究所では、サポナイトを使ったガソリンのオクタン価を上げる実験、下水処理の応用実験、石油や有機物からの水の浄化実験などを実施しているようです。